たけのやま歯科院長の山田です。
私の主宰する勉強会・以心塾に昭和大学名誉教授で今の離乳の基礎を作ったレジェンド・向井美惠先生をお招きいたしました。
先日ご紹介したBaby-Led Weaningの考え方とは反対の立場にいらっしゃる方なのですが、
とても広く深く丁寧にご講義をいただきたくさんの学びがありました!
Baby-Led Weaning(以下、BLW)は、お母さんも赤ちゃんも楽しく食べて元気に育って欲しいという願いから、今後も発信とサポートをしていきたいと思います。
しかし向井先生も懸念され、また実践される方や周りの方も心配されるのは「安全面」だと思います。
何事もリスクをゼロにすることは困難ですが、
今回はより安全に実践するためのポイントをお伝えしたいと思います!
まずは、体の発達を見ることが大切です。
ひとりでまっすぐお座りができれば
しっかり飲みこむことができます。
このお座りの見極めが難しいので、
当院では、
「腹ばいでおへそが地面から離れるくらいの姿勢」
ができるようになったら、とお伝えしています。
早くてズリバイしそうかな〜、くらいの時期ですね。
ハイハイをしていれば大丈夫でしょう。
それから前回、お腹のすいて”いない”時、機嫌の良い時に行うことを書きましたが、
急にのけぞって上を向いたり、息を吸い込んだりすると危険です。
そして何よりも、
絶対に赤ちゃんから目を離さないこと!
従来の方法でも、BLWでも、食事のとき以外でも、
赤ちゃんは一瞬目を離したスキに危険なものを口に入れてしまいます。
BLWは赤ちゃん自身の力で楽しんで食べる手法ですが、
決してほったらかしにして良いわけではありません!
これが最も重要です!
また、窒息事故を起こしやすい食品は以下の通りです。
・小さくて固い食品(ナッツ類、生のニンジン、リンゴ等)
・小さな丸い食品(ブドウ、飴玉、白玉団子、ミニトマト、うずらの卵等)
・皮付きの食品(ソーセージ、チキン、サツマイモ等)
・圧縮可能な食品(パン、ポップコーン、唐揚げ等)
・滑りやすい食品(バナナ、アボカド、キノコ類、ゼリー等)
・粘着性のある食品(グラノーラ、お粥等)
ただ、BLWを実践しているとおよそ9ヶ月頃までは
オエーッと吐き出すことはしょっちゅうあるはずです。
これは窒息とは違います。
食べ物を詰め込みすぎたり、奥まで入れすぎたりすると嘔吐反射が起きます。
赤ちゃんはこれを繰り返しながら徐々に食べ方を学んでいきます。
BLWと従来の方法で窒息の頻度を比較した研究もあります。
意外なことに、BLWでも窒息の頻度は従来法と変わらない、という結果となっています。
さらにBLWを行った子どもたちは従来法と比べて、フィンガーフード(スティック状の野菜など)で窒息する頻度が少ないこともわかっています。
BLWで自分でつかんで食べることを学んでいるからなのかもしれませんね。
窒息の防止の他には、
日本の子どもたちは臍帯の早期結紮などの影響で鉄が欠乏しやすいそうですから、
鉄分の多い食品を意識的に取り入れることも良さそうです。
(ほうれん草、小松菜、ブロッコリー等)
BLWは、お母さんも赤ちゃんも楽しく食べて元気に育ってもらうためのもの。
万にひとつも事故などは起きてほしくないですから、
まだ指導が受けられる施設は少ないとは思いますが
可能であれば専門家に発達状態や注意点のアドバイスをもらってサポートをしてもらいましょう!
もちろん当院も、全力でサポートさせていただきます!!!