たけのやま歯科院長の山田です。
「子どもをむし歯にさせないBLOG」、更新をかなりサボっていてごめんなさい(汗)
今回はイギリスで学んできた離乳食の手法、Baby-Led Weaningのご紹介です!
Baby-Ledは「赤ちゃんが主導する」という意味で、Weaningは「離乳食」と同義ですから、
「赤ちゃん主導の離乳食」と翻訳しました。
イギリスで10年ほど前に出版された同名の本があるのですが、
お母さんが楽チンで、赤ちゃんも楽しんで食べてくれるということで大ブームになり、
20カ国語に翻訳されて広まっているそうです。
残念ながら日本語版はまだ出版されていませんが、
今年中には出版される気配が・・・。
日本でも、昔は「ありあわせ離乳」という、Baby-Led Weaningと同様の手法が一般的でした。
1980年に出版された「育児の百科」という本には、
『ありあわせ離乳」の項目に
「日本の伝統的な離乳法は、このやり方であった。」
「赤ちゃんの気に入ったものを、あれこれとやってみることで、赤ちゃんの主体性を尊重できる。」
とあり、
「離乳の進行には、赤ちゃんが楽しいか楽しくないかがいちばん大事」としています。
歯科の視点からは、口の機能が育つのに有利な可能性があって、
当院でもオススメをしています。
ちょっと驚くかもしれませんが、
おかゆのようなどろっとした形状のものは与えずに、
最初から固形のものでスタートさせ、
スプーンは使わないという考え方なのです。
かわいいですよね(笑)
絶対に汚れるのですが、それは覚悟のうえで。
この方法の方が、将来的に「食事を楽しむ赤ちゃんが多い」ということが分かっています。
少なくとも、離乳の方法はひとつではない、ということ。
細かい事に思い悩むよりも、お母さんも赤ちゃんも楽しめた方がいいに決まっていますね!
イギリスで流行ってから研究もさかんに行われており、
そのうちのひとつの「BLISS in a nutshell」より6つの原則をご紹介します!
①スティック状の食べ物から始めよう!
ドロドロの形状でスプーンで与える必要はありません。
赤ちゃんにまかせ、手づかみで食べるのがBaby-Led Weaningです!
②家族の食事に赤ちゃんを加えよう!
家族みんなが食事をとっている場に赤ちゃんを同席させてあげてください。
赤ちゃんは家族が食べている様子を見て食べ方を学んでいきます。
ひとりで食べさせることのないように!
③色んな食材を用意しよう!
食材は3〜4種類くらい、見た目、形状、味が異なるものを用意してください。
ただし何をどれだけ食べるかは赤ちゃんの自由に!
④赤ちゃんを急かさない!
つい食べさせたくなったり、早く食べてほしくなったりしてしまいますが、
食べるペースや時間も赤ちゃんの自由に!
⑤塩や砂糖の加えられたもの、不健康と思われる食品は避けよう!
⑥何よりも安全に留意しよう!
後ろに反り返ったりすると窒息しやすいので危険!
機嫌の良いときにしましょう。
最初はお腹がすいて”いない”ときに開始するのもポイント。
小さくて固いものは避けた方がよいです。
そして絶対に赤ちゃんをひとりにしないこと!
栄養的には、9か月くらいまでは母乳やミルクが主体にはなりますので、
食べる練習として、「楽しく食べる」ことを中心に考えていきましょう!
最初はうまくいかなくても、あまり食べなくても、心配いりません。
赤ちゃん自身の育つ力、学ぶ力を信じて、見守ってあげてください!
今年は、「授乳・離乳の支援ガイド」の改定も行われる予定です。
現行のガイドは実際の現場に即していない点で批判も多いのですが、
私もそれに関する厚生労働省の会議を傍聴したり、意見を届けたりしています。
なによりも、お母さんも赤ちゃんも楽しんで食べてくれるように。
Baby-Led Weaningを含めて、当院では離乳食のサポートも行っておりますので、
何かあればお気軽にご相談ください!
※赤ちゃんの安全面に配慮するために、可能な限り専門家に発達の状態を確認していただくようお願いいたします。
もちろん当院でもサポートいたします。
まず、絶対に、赤ちゃんから目を離さないように!