子どもをむし歯にさせないBLOG第二回
『おやつの食べ方』
「甘いものをたくさん食べるとむし歯になるよ!」
と、皆さんお子さんに伝えたことがあると思います。
これ、半分正解ですが、半分不正解。
当院に来院された方に説明しているのが、以下のグラフについてです。
ごはんを食べると、むし歯菌が酸を出します。
これはパン、お米などの炭水化物でも起きる現象ですので、
お菓子だけのことではないですよ。
その酸が歯を溶かしてミネラルが奪われていくのですが、
食べてしばらくすると、唾液の力で酸が中和され、
奪われたミネラルも元に戻ることができます。
「再石灰化」と呼ばれる現象です。
CMなどで耳にされたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
食事と食事の間をあけて、この時間をしっかりとることが大切なのです。
溶かされた歯が元に戻る前に次の食べものがきて、
また溶かされて、溶かされて・・・となると、
元に戻ることができません。
毎食後の目に見えないダメージが蓄積されて、
いずれ「穴」があいちゃうんですね。
つまり、
「甘いものをたくさん食べるとむし歯になるよ!」の、
「たくさん」の指すところが「量」であるならちょっとはずれ。
「回数」を指すのであれば正解。
(ただし一般的に「量」が増える=「回数」が増えることが多いので、
論文からみる研究結果は曖昧です)
一度にたくさん甘いものを食べることではなく、
ちょこっとずつ何回もとか、
長い時間ずーっとダラダラ食べちゃうと問題になってきます。
ちなみに、朝昼晩のごはんのお料理で使う「砂糖」はそんなに気にしなくていいです。
だってごはんは普通「朝・昼・晩」の3回、決まった時間に食べますよね。
でもおやつは、時間が決まらないことが多い。
ジュースなんかもそうです。時間を決めてジュースを飲む方はそんなにいませんよね。
だから、おやつの「回数」と「食べている時間」に気をつけてくださいね。
どうしても習慣を変えることが難しいときは、
おやつをキシリトール等のむし歯にならないものに「替える」のもアリです。
他にむし歯になりにくいのは、
チーズ、ナッツ類等です。
むし歯になりやすいものは、
糖分が多いものと、粘着性のあるものです。
「甘いもの」がよくないのはよく知られていますが、
「口の中に長く残るもの」も同じくらいよくないのです。
例として、チョコレートがよくないのはもちろんなのですが、
ポテトチップス、クラッカー、ビスケットなども同じくらいよくないとされています。
それらをおやつとして食べるときは、一緒に牛乳を出してあげるとよいですね。
最近はアメやチョコレートでも砂糖不使用で甘いものもよく見るので、
そういうものを利用するのもいいです。
ジュースを買うときは大きなペットボトルで冷蔵庫にドカッと入れてあると、子どもがいつでも飲める状況になりますから、
小さなパックジュースで今日はこれだけね、と渡す方がいいですね。
おやつもおうちに「おやつ棚」みたいなものはなるべく作らず、
小分けの小さなものであげるとよいです。
「甘いものは全部ダメ!」なんていうのは
一度覚えたら普通は無理です。
それはうちの子どもも同じですのでよく分かります・・・。
前回の「むし歯に関わる菌について」の観点から、
まずはできるだけ3歳になるまでは甘いものを与えないこと。
それからは、おやつは時間を決めること。
与えるものを選ぶこと。
徹底は難しいところですので、無理のない範囲で意識してもらえると良いと思います!