むし歯に関わる菌について

たけのやま歯科院長の山田です。

「皆さんの歯を守り育てる」ことを使命として開院した当院ですが、
より広く予防の知識を知っていただくためのブログを始めることにいたしました!

ここでは
「子どもをむし歯にさせないBLOG」
と題し、
お子さんのむし歯予防についてに的を絞って情報提供をしていきたいと思います。
現在私が知る限りの知識を書き留めていきたいと思います。
医療の世界は日進月歩ですから、私が書いたことも将来誤りであることが分かったりする事もあると思いますが、
出来る限り最新の情報を発信していきます!

第一回
『むし歯に関わる菌について』

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には菌はほとんどいません。
実は周りの大人からもらうのです。
その多くはお母さんから。
そして、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん。
つまり、周りの大人が自分のお口のケアをしっかりとすることが、
小さなお子さんのむし歯予防にもなるのです。

表現はあまり良くありませんが、
「感染源の除去」
です。
小さなお子さんが周りにいらっしゃる方は、
ご自身のためにも、
そのお子さんのためにも、しっかりとケアをしましょう。

次に、
「伝播経路の遮断」。

最近の育児雑誌等にもよく書かれていますが、
同じスプーンで食べものを与えることや、キスでうつったりする、という話。

私個人はこれを無理に抑える事はあまり言いたくないところです。
スキンシップとして良い部分もあるだろうし、
神経質になりすぎてしまう傾向のあるところですから。
これを気をつけてもあまりむし歯予防に効果はないとする論文もあります。
なので、気をつけられる範囲で気をつけてください。

最後に、
「むし歯に関わる菌の定着への対策」
です。

ここが最も重要です。
簡単にいえば、甘いものの味を覚えさせないこと。

できれば3歳までは甘いおやつは遠ざけること。
チョコレート、アメ、ジュースなど、いかにもなものは特に。

甘いものを摂取すると、お口の中の菌の一部が代謝して酸を出します。
その酸によって歯が溶けるだけでなく、むし歯に関わらない菌が弱ってしまいます。
そしてむし歯に関わる菌が優位な状態になります。
これが繰り返されると、むし歯になりやすい状態になります。

同じ生活をしているのに、むし歯になる子、ならない子がいるのは、
多くはこの部分によるものだと思われます。
よく言われる「歯の質」はあまりはっきりと証明されていません。
「唾液の量や質」はあるのですけれど、これも小さなお子さんに関しては大きな差はないところ。

ただこれも、2歳を過ぎたあたりからちょっとずつ難しくなるところではあります。
周りの大人やお友達から甘いものをもらう機会も増えますし、
周りの子どもたちが食べていたら、自分のところだけあげない、なんてことも難しいこともある。

特に兄姉がいる場合。
下の子は、お兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒におやつを食べることが多いですから、
一般的に早く甘い味を覚え、習慣的に食べることが増えます。
なので、上の子は全然むし歯がなかったのに・・・というのはよくある話。

むし歯のなりやすさは「遺伝」ではないのです。
(全く関係ないわけではありませんが)

ですが、これも何が何でも絶対に食べさせない!というのは、無理です。
「習慣化させないこと」が大切。
そして「量よりも頻度」です。

ちなみに、うちの子は、さすがにチョコやアメは与えていませんが、
アイス、ジュースは大好きです。
おやつ大好き。
いつも「むし歯になりたくない気持ち」と「甘いものを食べたい気持ち」を戦わせています(笑)
ですが、時間は決めさせています。

このあたりは、また追々書こうと思います。
コツを得て対応しましょう。

ということで、
小さなお子さんへのむし歯予防は、

「感染源の除去」
「伝播経路の遮断」
「菌の定着への対策」

この3つを無理なく組み合わせることです。
1つだけを完璧にしようというのは難しいので、それぞれを可能な範囲で取り組みましょう。

これにさらに加えるなら、いわゆる「フッ素」、
つまり「フッ化物の応用」ですが、
これもまた別の機会に!

ちなみに、むし歯は厳密にいえば「感染症」ではありません。
基本的には誰のお口にでもいる「常在菌」で
食習慣等の要因によってバランスが変化することが分かっていますので、
ある程度むし歯菌が定着してしまっていても、ポイントをおさえれば予防は可能です。

そのポイントについては、次回以降をお楽しみに!

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